- 科名・属名 ： ゴマノハグサ科 コゴメグサ属
注．ＡＰＧ分類では、ハマウツボ科(OROBANCHACEAE)、属名以下学名変わらず - 特徴 ：
草丈２〜５ｃｍの半寄生の１年草。
茎はあまり分枝せず、下向きの曲がった毛とやや開出する腺毛が密生する。
葉は対生、下部では小さく上部で大きく、扇形〜倒卵形でごく小さく、長さ２〜４ｍｍ、幅１．５〜３．５ｍｍ。先は鈍く、基部は急に細まってくさび形になり、縁には１〜２対の鈍い鋸歯がある。表面には剛毛が生え、裏面には腺毛が散生する。葉柄はほとんどない。
花は上部の葉腋ごとに１花つける。花冠は唇形、白色で紫色の筋があり、上唇は兜形で先は２裂し、長さ約４ｍｍ、下唇は広く開いて３裂し、裂片は長楕円形で先は浅くへこみ、上唇よりやや長く、中央に黄斑がある。雄しべは４個で上唇の中にあり、下側の２個がやや長い。花柱は細長く、柱頭はやや膨らむ。萼は鐘形、長さ約３ｍｍ、幅約２ｍｍ、上下に半ばまで裂け、裂片はさらに２裂し、裂片は卵形で長さ約１ｍｍ、後ろに反り返り、やや黒みを帯びる。
果実（刮ﾊ）は倒卵形、長さ約３．５ｍｍ、幅約２ｍｍ、６個の種子が入る。種子は紡錘形、長さ約２ｍｍ。 - 分布・生育地 ：
本州（中央アルプス木曽駒ヶ岳固有） （国外：日本固有）
高山帯の礫地や草地 - 花期 ： ７〜８月
- 撮影月日・場所 ：
上・全体１ 2003年8月2日 長野県木曽駒が岳
中・全体２、以下全て 同 上
(上、中は拡大写真あり、写真をクリック） - 撮影記 ：
中央アルプス木曽駒が岳は2,500ｍを越える千畳敷までロープウェイで上がれるため、登山客よりもサンダル履きの観光客のほうが多い。
ただ、そこからまだ１時間程度登らなければならない稜線はさすがに観光客も少なく、また、目を凝らさないと見つけられないこの小さな花に気がつく人は少ない。
私が撮影していた時、カメラを持ってみていた人が、その後撮影しようとして見つけられず、どこにあるかを聞いてきたくらいだ。
花崗岩が風化した礫地の上に、擬態でもするかのように丸いごく小さな葉と可愛らしい花が咲く。
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