サンインクワガタ(山陰鍬形)

Veronica muratae


サンインクワガタ1


  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 クワガタソウ属
     注.APG分類ではオオバコ科(PLANTAGINACEAE)、属名以下学名変わらず

  • 特徴 :
     草丈10〜30cmの多年草。
     茎は分枝して地を這って広がって根をおろし、曲がった軟毛が散生する。
     葉は対生、茎の上部のものがが大きく、葉身は卵形、長さ1〜2.5cm、幅0.6〜2cm。先か鈍いかやや尖り、基部はくさび状の円形で葉柄に続き、縁には4〜9対のやや平たい鋸歯がある。表面と裏面脈上に白毛が生える。
     花は上部の葉腋に葉と同長の短い花序を出し、2〜5個の花を疎らにつける。花柄は長さ2〜3mm、花序柄・軸、花柄には曲がった短毛が生える。花冠は上部が皿形に広く開いた左右相称、4裂し、淡紅白色で径約8mm。雄しべは2個。花柱は細長く柱頭は膨らむ。萼は4裂し、裂片は広線形〜狭卵形で先が尖る。
     果実(刮ハ)は菱形状扇形で、基部は広いくさび形、さきは少し凹み、長さ4〜5mm、幅8〜11mm。種子は板状の楕円形、長さ約1mm。
     別名 ニシノヤマクワガタ

  • 分布・生育地 :
     本州(近畿(京都府北部)〜中国(広島県北部・山口県)の山陰地方) (国外:日本固有)
     山地の林下

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2005年5月28日  広島県広島市
    中上・全体2、以下全て    同  上
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     広島にハイルリソウを撮影に出かけた際、同時期に咲く花で未撮影種をチェックしていたところこの花に行き当たった。
     「まだ咲いているはず」とMさんに案内された沢沿いの林下には、特徴ある菱形の果実とともに淡青紫色の花が咲き残っていた。
     クワガタソウの仲間はどれもよく似ていて本種は茎に曲がった毛が散生することなどが特徴であるが、同定は茎の毛の生え方や果実の形が基本となるので、花と菱形状扇形の果実のツーショットの株を探して撮影した。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
サンインクワガタ2

花

果実(刮ハ)