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- 科名・属名 : ゴマノハグサ科 ジオウ属
注.APG分類では、ハマウツボ科(OROBANCHACEAE)、属名以下学名変わらず
- 特徴 :
草丈20〜50cmの多年草。
根茎は地中を這い、肥大してやや肉質。
茎は直立し、全体に軟毛と腺毛が密に生える。
根出葉はロゼット状で、葉身は卵状楕円形で大きく、長さ20〜30cm、幅3〜4.5cm。先は鈍頭、基部はくさび形で葉柄に流れ翼となり、縁には重鋸歯があり、質は肉質。茎葉は広卵形で鋭鋸歯があり、上部では小さくなる。
花は葉腋に単生する。花柄は長さ3〜4cm、密に腺毛が生える。花冠は唇形、長さ5〜6cm。筒部は黄色で紫色の斑があり、筒の上部から裂片は鮮紅紫色。上唇は2裂し、裂片は円形で長さ約1cm、下唇は3裂し、裂片は円形で重なり合う。雄しべは4個、下側の2個が長い。萼は鐘形で長さ2〜3cm、5(〜7)裂し、裂片は長さ約1cm、密に腺毛が生える。
果実(刮ハ)は卵形、多数の小さな種子が入る。
別名 ハナジオウ
- 分布・生育地 :
本州(静岡県、岐阜県) (国外:日本固有) 石垣や畑の縁
- 花期 : 5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2004年4月24日 静岡県浜松市 中上・全体2 2005年4月28日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 2004年4月24日 同 上 左下・花、右下・葉 同 上
- 撮影記 :
地元の先輩の案内で初めてこの花を見たとき、写真を見て花は知っていたもののその美しさと大きさに感動した。
江戸時代から栽培されていたようであるが、現在では本州中部の山間部にわずかに見られるだけである。
元は中国原産で逸出したものだと言われているが、中国でも原種は見つかっていない。そのため、学名にもjaponicaと付けられ、絶滅危惧TA類(CR)とされている。
現地では山奥の道路脇の石垣や畑の縁に栽培でもしているかのように見事に咲いているが、現地の方に聞くと自然に生えているとのことだった。
こんな美しい花が何故園芸種として広く栽培されないのか不思議だ。蛇紋岩地帯であることが影響し、他では育ちにくいのかもしれない。

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