セリバシオガマ(芹葉塩竈)

Pedicularis keiskei


セリバシオガマ1


  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 シオガマギク属
     注.APG分類ではハマウツボ科、学名(OROBANCHACEAE)、属名以下学名変わらず

  • 特徴 :
     草丈25〜35cmの半寄生の多年草。
     茎は根際で分枝して直立し、軟弱で無毛。
     葉は対生、葉身は卵状長楕円形、長さ4〜8cm、幅2〜4cm。羽状に全裂し、裂片は披針形でさらに中ほどまで裂ける。葉柄は長さ4〜10mm。
     花は上部の葉腋ごとに1花つく。花冠は長い筒形で先は唇形になり、筒部は淡緑色、裂片は白色で、長さ約2cm。上唇は左右にたたまれて兜状で先が嘴状に尖り、下唇は浅く3裂して広がり、中央裂片はごく小さい。雄しべは4個、上唇内にあり、下側の2個はやや長い。花柱は細長く、柱頭はやや膨らむ。萼は先が斜めに切れた筒形、長さ約3.5mm、幅約2mm。腹面は深く裂け、背面は尖り、先は浅く2裂する。
     果実(刮ハ)は三角状狭披針形で先が尖り、長さ約12mm、幅約3mm、長さは萼のほぼ3倍。

  • 分布・生育地 :
     本州(中央・南アルプス、八ヶ岳、秩父山地) (国外:日本固有)
     亜高山帯の針葉樹林下

  • 花期 :  8〜9月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2007年8月17日  山梨県北岳
    中上・全体2    同  上
    中下・全体3 1979年8月16日    同  上
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
    左下・花 2007年8月17日    同  上
    右下・葉 1979年8月16日    同  上

  • 撮影記 :
     夏の北岳登山は。大樺沢を登り左俣か右俣のいずれかを経て山頂を目指すのが一般的である。
     帰りは同じ大樺沢を下らず、白根御池コースを下ると、急な樹林下で数は少ないがこの花が見られる。
     分布は本州中部の亜高山帯に限られ、花の色はエゾシオガマに似ているが、本種は針葉樹林下に生え、葉は細かく裂け花も白色だ。
     一斉に花をつけるということがなく、ポツポツ咲くのでなかなかいい絵にならず、2007年再度訪れてみた。
     咲き方は相変わらずであったが、今度はこの花が目的できただけに何とか撮影した。

  • 葉

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セリバシオガマ2

セリバシオガマ3

花