タイワンイワタバコ(台湾岩煙草)

Conandron ramondioides var. taiwanensis


タイワンイワタバコ1


  • 科名・属名 : イワタバコ科 イワタバコ属

  • 特徴 :
     草丈10〜15cmの多年草。
     茎には褐色の毛がある。
     葉は根茎から普通1〜2枚出、葉身は卵状楕円形で長さ10〜30cm。先は淡鋭尖頭、基部はくさび形、縁には少数の不規則な細かい鋸歯がある。両面とも初め有毛で後やや無毛。葉柄は長さ1〜10cmで上部は多少翼状になり、葉の基部との境は不明瞭。
     花は葉腋から普通1本花茎を出し、やや散形状の集散花序となり、10〜40個の花をつける。花序は1.5〜2.5cm、腺毛が多い。。苞は線状披針形。花冠は放射相称の車形で5裂し、径約1.5cm、紅紫色で底部は白色地に黄橙色の円形の斑紋が梅鉢形に並び、裂片はほぼ同形で広く開き、裂片は三角状卵形で、筒部の約2倍の長さがある。雄しべは5個、花の中心部で集約し、葯は黄褐色。子房は長楕円形、花盤はなく、花柱は糸状、柱頭は頭状。萼は5深裂し、裂片は線状披針形で、長さ4〜6mm。
     果実(刮ハ)は線状長楕円形で両端は尖り、先端には萼が宿存し、長さ10〜15mm。種子は狭長楕円形。
     本土にあるイワタバコに似ているが、花冠裂片が筒部の2倍の長さとなり、葉柄や花柄に腺毛があり、葉の鋸歯が細かく全縁状であるのが違い。
     別名 イリオモテイワタバコ

  • 分布・生育地 :
     沖縄(西表島) (国外:中国、台湾)
     岩壁

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2005年6月11日  沖縄県西表島
    中上・全体2 2013年5月26日    同  上
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
    中中・花序、中下・花1 2005年6月11日    同  上
    左下・花2、右下・葉 2013年5月26日    同  上

  • 撮影記 :
     湿気の多い谷筋は、じっとしているだけで汗が吹き出し、メガネが曇ってくる。
     ハブが出そうな谷の岩肌に、特徴ある大きな葉を広げこの花が咲いていた。
     人もあまり入らない谷では、「御馳走がきた」とばかりに蚊がわんさか集まってくる。手や顔だけでなく、レンズの前の蚊を追いながらの撮影となった。
     本土にあるイワタバコそっくりで、特徴欄に記したような違いがあるようだが、知らなければイワタバコと間違えそうだ。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
タイワンイワタバコ2

花序

花1

花2