
|
- 科名・属名 : キク科 ヌマダイコン属
注.改訂新版「日本の野生植物5」(平凡社刊)では、小山(2001)の発表に基づき、学名(A. madurense)としている
- 特徴 :
草丈30〜150cmの多年草。
根茎は肥厚する。
茎の基部は短く這い、根を出す。
葉は対生、8〜12対つき、葉身は中部のものは卵形〜広卵形、葉柄を含め、長さ15〜40cm、幅7〜22cmと大きく幅広い。先は鋭頭、基部は円形〜切形、縁には20〜30対の高く尖った鋸歯がある。葉柄は長さ5〜10cm。
頭花は長い枝先に数個ずつやや疎らな散房状につく。小花は30個程度で全て両性。花冠は長さ約2mm、外面には腺があり、毛を密生する。花柱分枝は長さ約1.5mm、花冠から著しく飛び出る。総苞片は基部で合生し、先は鈍く、果時には反曲する。
果実(痩果)は鈍い三角形時に五角柱状でわずかに曲がり、先は円く、長さ約3.5mm、黒褐色で光沢が無く、表面に疎らに膜質の微突起があるが、乾いてもかさぶた状にならない。冠毛は3〜4個、長さ約0.7mm。
- 分布・生育地 :
本州(関東地方以西)〜沖縄 (国外:中国(中南部)、台湾、東南〜南アジア) 湿った林縁
- 花期 : 9〜11月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2024年10月22日 愛知県豊橋市 中上・全体2 2012年11月6日 鹿児島県南さつま市 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 同 上 左下・総苞 2024年10月22日 愛知県豊橋市 右下・葉 2012年11月6日 鹿児島県南さつま市
- 撮影記 :
以前はヌマダイコンと混同され分けられていなかったが、湿地でなく陰地に生える、葉身が卵形〜広卵形で鋸歯が高く尖る、果実(痩果)は黒褐色で光沢が無く、表面にまばらに腺点がある、花はやや小さく、小花の数も30個程度と多いことなどが違いとされ分けられた。
それまでさほど注意せずにヌマダイコンと思って撮影していたので、前記の違いを写真で判断することは難しく、自生地の環境や葉の鋸歯などで判断したが、混同があるかもしれない。
色々な植物が研究の結果分けられるのは成果でありがたいが、違いが細部や遺伝子に係わるようの場合、写真ではなかなか判断しきれないことが多く大変だ。

同じ科の仲間の花
|