ウロコマリ(鱗毬)

Lepidagathis formosensis


ウロコマリ1


  • 科名・属名 : キツネノマゴ科 ウロコマリ属

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの多年草。
     茎はやや木化して硬く、直立し、ほぼ無毛。
     葉は対生、葉身は卵状楕円形〜長楕円形、長さ5〜16cm、幅2〜6cm。先は鋭く尖り、基部は鋭形で柄に繋がり、波状の鋸歯がある。両面に線状の鍾乳体があり、裏面脈上だけに毛がある。葉柄は長さ1〜2.5cm。
     花は枝先または葉腋から1cm程度の花柄を伸ばし、その先に円筒状の小さな花が密集した穂状花序をつける。苞と小苞は卵状倒楕円形で、先は刺状に尖り、長さ5〜8mm、萼とともに白色の長毛がやや密生する。花冠は白色、筒形で先は唇形となり、長さ約5mm。上唇は先が浅くへこみ、長さ約2mm、下唇は3裂し、長さ2.5mm。雄しべは4個。花糸は細く、花筒の上部の下側に付着する。葉中は糸状、先は頭状になって先がへこみ、柱頭がある。萼は不揃いに5深裂し、長さ6〜7mm、上側の1片は披針形、側方の2片は線状披針形、下側の2片の多くは中ほどまで合着する。苞や萼には軟毛があるが、腺毛はない。
     果実(刮ハ)は円錐形で4個の種子が入り、長さ約6mm、上部に短毛が散生する。種子は円形、長さ約1mm。

  • 分布・生育地 :
     沖縄 (国外:台湾)
     常緑樹林下

  • 花期 :  9〜11(〜4)月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2006年3月20日  沖縄県西表島
    中上・全体2 2004年12月11日    同  上
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
    中下・花序 2006年3月20日    同  上
    左下・花 2004年12月11日    同  上
    右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     林道脇で咲き始めていた小さな白い花。同行の花の大先輩が「何て言ったかな。リュウキュウのつかないやつ」と言われた瞬間、どういうわけかこの名前が口に出た。
     実物も写真も見たことのない花であったが、見たいという気持ちが花に伝わったのだろうか。
     和名の由来は、花穂にある苞が鱗のように密集するところからきているようだ。
     初めて見たときは1花しかなかったので、2006年春、撮り直ししたが、今度はやや遅かった

  • 葉

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ウロコマリ2

花序

花