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- 科名・属名 : アオイ科 ボンテンカ属
注.APG分類では、学名(U. subusp. lobata)
- 特徴 :
草丈60〜200cmの低木状の多年草。
茎は直立して分枝する。
葉は広卵形〜円形で、長さ3〜9cm。3〜5浅裂し、裂片は幅広い。裏面には灰白色の星状毛が多い。葉柄は長さ3〜10cm、灰白色の星状毛が多い。
花は普通葉腋に1個つくが、時に束生する。花柄はごく短い。花弁は5個、車形に開き、淡紅色で径約2cm、中央部は紫色を帯びる。雄しべは合着して雄しべ筒を作り、その上半部に多数の葯をつけ、雄しべ筒の先端は葯とならない。萼は鐘形で5裂し、裂片は卵状披針形で、長さ4〜6mm、中脈に蜜腺がある。副萼片は披針形で萼に合着して5裂し、萼片より少し長い。
果実(分果)は長さ4〜5mm、裂開せず、星状毛と鉤状毛があり、鉤状毛の先端には逆向きの小さな刺がある。種子は腎形、灰褐色で、長さ約4mm。
- 分布・生育地 :
九州(大隈半島以南)〜沖縄 (国外:台湾〜熱帯域に広く分布) 林縁
- 花期 : 6〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1997年10月26日 鹿児島県奄美大島 中上・全体2 2005年6月11日 沖縄県西表島 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 2007年11月18日 同 上 左下・果実(分果) 2007年10月29日 同 上 右下・葉 2005年6月11日 同 上
- 撮影記 :
奄美大島には何度か訪れているものの、行くたびに道路が整備されてきているのには驚かされる。以前は島を1周するメインの道路でさえ山すそを縫うようにな狭い道だったものが、今ではトンネルになっていて快適なドライブができる。
そんな新道の開通で旧道は車も少なく、道路の法面に多くの植物が見られるようなり、植物観察には非常に都合がよくなってきた。
この花もそんな旧道際の林縁に咲いていたもので、関東周辺では見かけることのない変わった感じの花である。
ボンテンカの葉が大きく切れ込んでいるに対し、本種の葉の切れ込みは浅い。
果実(分果)(左下の写真)を見るとアオイ科の植物ということがよくわかる。

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