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- 科名・属名 : アオイ科 フヨウ属
- 特徴 :
高さ3〜10〜(15)mの常緑高木。
樹皮は灰褐色。
葉は対生、葉身は卵円形〜円腎形で、長さ幅とも5〜9cm。先は鈍形、基部は切形〜浅い心形、縁は全縁。質は革質で厚く、表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡緑色、両面無毛。葉柄は長い。
花は枝先に単生し、径3〜4cm。花柄は長さ4〜5cm。花冠は鮮黄色で中心部は暗赤色、径3〜4cm。花弁は5個、倒卵形で先は円形、長さ3〜4cm、外側に細毛がある。副萼片は10個、裂片は披針形で半ば合着し、長さ1.5〜2cm。萼は鐘形、裂片は5個、三角状披針形で、長さ7〜10mm、短毛が密生する。裂片は披針形で一日花で夕方には赤変する。
果実(刮ハ)は径1.3〜1.5cm、表面に黄褐色の細毛が密生する。種子は腎形、長さ4〜5mm、表面に褐色の硬い星状毛が密生する。
別名 テリハハマボウ(照葉浜朴)
- 分布・生育地 :
小笠原諸島 (国外:日本固有(注.マリアナ諸島からも記録されたとの報告がある) 山地の斜面
- 花期 : ほぼ1年中(ピークは6〜7月)
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2011年6月25日 東京都小笠原諸 中・全体2、左下・花 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 右下・葉 2011年7月3日 同 上
- 撮影記 :
小笠原諸島の海岸近くにオオハマボウが咲き、山中に固有種のこの花が咲いている。
土壌に恵まれた母島には10mを越えるような大木があるようだが、父島では山地の稜線や岩場等の乾燥地に2〜3mの株があるだけだ。
花はオオハマボウより小振りで、テリハ(照り葉)と言われるように葉には光沢がある。
沖縄などで海岸近くのオオハマボウを見慣れた目には、山中の岩場で青空をバックに咲く花はいささか奇異な感じがする。
花は朝咲いて夕方には赤くなって萎れる一日花で、写真でも赤くなって落ちた花が手前に写っている。
以前はテリハハマボウが和名で、モンテンボクは別名とされていたが、APG分類ではモンテンボクを和名とし、テリハハマボウは別名と表記されている。
なお、モンテンボクは島人がこの樹をMountain(マウンテン=山) hauと称していたものが訛ったとされている。

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