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- 科名・属名 : スミレ科 スミレ属
- 特徴 :
草丈10〜20cmの多年草。
ニョイスミレとスミレと推定雑種?。
根はスミレほどではないが、割合に太い。
葉は長楕円形〜卵状長楕円形で、長さ3〜6cm。花時はニョイスミレに似て質が薄く、表面はいくらか光沢があり、裏面はわずかに紫色を帯び、基部はやや心形。夏葉はスミレに似て幅が広くなる。
花は径1.3〜1.7cm、鮮やかな濃紅紫色、先は初めはニョイスミレのように花弁がまとまって咲くが、そのうち色が薄れ淡赤紫色紫色になり、花弁が開いて大きくなる。側花弁の基部は有毛。距は3〜4mmと短く、わずかに紅紫色を帯びる。
記述は「増補 原色日本のスミレ」(浜 栄助著)(誠文堂新光社刊)を参考にした。
- 分布・生育地 :
本州(記録では岩手県) (国外:日本固有) 道端、林縁
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2010年5月9日 熊本県阿蘇 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中・花、下・葉比較 同 上
- 撮影記 :
車を止め、行きに見かけたテンナンショウを撮影していると、花仲間から「変ったスミレがある」の声が掛った。
見ると花の形はニョイスミレ風、花色や葉の形はスミレといった風情のスミレが咲いていた。
スミレの品種にもニョイスミレの品種にも心当たりはない。近くには両方のスミレが咲いているが、有茎種と無茎種の雑種ができるのかは想像できなかった。
しかし、葉の形、大きさ、基部は切形〜やや心形と両者の中間で、どう考えても雑種のように思えた。
ちなみに、葉裏の比較では(下の写真で、左スミレ、中は雑種?、右ニョイスミレ)、わかりにくいがこの花の葉はわずかに紫色を帯びるなど、どうみても両者の雑種としか考えられなかったので、和名はつけられていないが雑種ではないかと判断した。
帰って調べると、「増補 原色日本のスミレ」(浜 栄助著)(誠文堂新光社刊)の増補ページにこの花の記述があり参考とした。
それによると当初は交配によって作られた雑種のようで、その後岩手県で自生が見つけられたとの記述がある。
もしこれが推定通りの雑種であれば、自生は非常に珍しいものと思われるが。
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