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- 科名・属名 : イワデンダ科 ノコギリシダ属
- 特徴 :
草丈40〜80cmの夏緑性シダ。
根茎は短く匍匐する。
葉は2回羽状浅裂〜深裂、葉身は三角状広披針形、長さ(28-)31〜38(-49)cm、幅(21-)23〜26(-29)cm。側羽片は(13-)14〜15(-16)対あり、卵状広披針形〜長楕円状披針形で先端はやや鎌状に曲がり、長さ(10-)11〜13(-16)cm、幅(4.4-)4.8〜5.6(-6.3)cm。短柄があり、長さ(0.3-)0.4〜0.5(-0.6)cm。最終裂片は披針形、先は円頭〜鈍頭、縁は鋸歯縁。
葉柄は淡緑色〜淡褐色で基部は褐色、長さ(18)25〜33(-40)cm。鱗片は基部でやや密に、それより上では疎らにつき、狭披針形〜線状披針形、長さ(6.2-)7〜8.7(-11)mm、黄褐色でほぼ全縁。ほぼ無毛。
胞子嚢群は裂片の虫肋寄りにつき、狭長楕円形〜線形、長さ(4.6-)5.5〜6.7(-7)mm。包膜は狭長楕円形〜線形で全縁。
- 分布・生育地 :
本州(伊豆半島以西)〜九州(屋久島まで) (国外:日本固有) 山地林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2025年3月1日 静岡県袋井市 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
地元の先輩に案内されて訪れた場所は、高校時代にギフチョウを採集に来た場所だった。
静岡県西部のギフチョウは天竜川の西側には生育地はあるものの、東側ではここが唯一記録のある場所で、その姿を求めて何度も訪れた。
当時明るかった谷間の記憶はあったが、さすがに50年以上も経つとすっかり状況が変わっていてやや薄暗い植林下になり、イワタカンアオイの葉は見られたもののギフチョウは絶滅してしまったとのことだった。
そんな谷間の斜面に点々とこのシダが生え、夏緑性のシダにもかかわらずまだ青々した葉を広げていた。
以前はミヤマノコギリシダとの違いははっきり認識されていなかったが、今では独立種とされているようだ。
この谷間には、やホソバノコギリシダなどノコギリシダの仲間が何種か見られた。


その他のシダ
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