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- 科名・属名 : ゴマノハグサ科 クガイソウ属
注.APG分類では、オオバコ科(PLANTAGINACEAE)、属名以下学名変わらず
- 特徴 :
草丈1〜1.5mの多年草。
茎は斜上して湾曲し、先は地に接して新苗を作る。茎は円柱状で細く伸び、葉とともに反曲する短い軟毛を密生する。
葉は互生、葉身は卵形、長さ7〜10cm、幅4〜6cm。先は鋭尖頭、基部は心形。縁には尖った鋸歯があり、表面に疎らに長軟毛がある。
花は葉腋に球状の花序をつけて密につき、径2〜3cm、無柄。苞は狭長楕円形〜卵形、長さ約4mm、鋭尖頭で疎らに軟毛がある。花冠は筒状で先は4裂し、長さ約7mm(筒部は長さ約5mm、裂片は約2mm)、濃紫色〜紫色、表面は無毛で内面に軟毛がある。花冠裂片は三角形で鋭頭。雄しべは2個、長さ11〜12mm、花冠から外に飛び出し、雌しべよりやや短く、花糸の中部以下には軟毛がある。子房は卵形、長さ約1mm。花柱は長さ14〜15mm。
果実(刮ハ)は卵円形で、長さ約2.5mm。
スズカケソウに似ているが、葉の形がやや丸くて先がやや尖り、基部の形が心形であることや、茎や葉の毛が短くて少ないことが違いとされている。
- 分布・生育地 :
本州(千葉県) (国外:日本固有) 常緑樹林下の川岸の斜面
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2012年7月22日 千葉県 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
2013年2月18日の読売新聞夕刊で、「首都圏で植物の新種が発見されることは非常に珍しい」との見出しで、千葉県で見つかったこの花が紹介された。
スズカケソウと名のつく植物は、どれも希少種が多く自生地も限られているものが多い。その仲間が首都圏で発見されたとは驚いた。
ひょんなことから撮影することができた。
一番よく似ているのはスズカケソウであるが、岐阜と徳島にごくわずかに知られるだけで、それと比べると確かに葉の基部の形が違い、毛も少ない。
見つけられた千葉県のボランティアの方の名前が学名に入っているが、植物に興味があるものとしては、そういうことが一度でいいからあって欲しいと思っている。


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