キノクニスズカケ(紀の国鈴懸)

Veronicastrum tagawae


キノクニスズカケ1


  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 クガイソウ属
     注.APG分類では、オオバコ科(PLANTAGINACEAE)、属名以下学名変わらず

  • 特徴 :
     草丈1mほどになる多年草。
     茎は斜上して湾曲し、短い曲がった毛やや密生する。
     葉は互生、葉身はし卵形、長さ10〜13cm、幅4〜7cm。先は尾状に伸びて尖り、基部は円形、縁には平たい三角状で先が短く尖る鋸歯がある。質は厚く、表面は無毛で、裏面は脈上に短い毛がある。
     花は葉腋に短い円柱状の花序を出し、密に花をつける。花柄は長さ2〜5mm。花冠は筒形で先は浅く4裂し、白色で、長さ約7mm。雄しべは2個、花の外に長く飛び出す。子房は卵形。花柱は細長く、柱頭はやや膨らむ。萼は鐘形で5裂する。
     果実(刮ハ)は卵形で先が尖り、胞間と胞背で裂開して種子を出す。種子は小さく、半球状の楕円形。

  • 分布・生育地 :
     本州(紀伊半島南部) (国外:日本固有)
     川近くの林下

  • 花期 :  9〜10月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2004年9月11日  和歌山県東牟婁郡
    中・全体2、以下全て    同  上
    (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     日本に自生するスズカケソウと名のつく花は4種知られているが、どれも分布の限られた少ない種である(注.2013年、イスミスズカケが発表され、現在は5種となっている)。
     この花は、4種の中では最初に株を見ながら花の撮影は最後になってしまった。
     十数年前の10月、和歌山県にキイジョロウホトトギスを撮影に行った際、崖下に群生している変わった植物を見つけた。一瞬置いて本種とわかったが花はついていなかった。
     2004年、久しぶりに現地を訪れると、記憶は大分薄らいでいたが当時と同じ場所に咲いていた。あたりを探すと、林下だけでなく道路際の林縁にも咲いている株があった。

  • 葉

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キノクニスズカケ2

花