ユズリハ(譲葉)

Daphniphyllum macropodum


ユズリハ1(雌株)


  • 科名・属名 : ユズリハ科 ユズリハ属
     注.APG分類では、学名(P. macropodum ubsp. macropodum)

  • 特徴 :
     高さ4〜10mの常緑高木。
     幹は太いものは60cmになり、樹皮は灰褐色で縦に筋が入り、楕円形の皮目がある。枝はよく分枝し、若枝は平滑で紅色を帯びる。
     葉は互生、葉身は多くが今年枝の枝先に集まってつき、葉身は長楕円形〜倒披針形、長さ15〜20cm、幅4〜6(〜7)cm。先は短く尖り、基部は円形〜くさび形、16〜19脈があり、縁は全縁。質は革質、表面はやや光沢があり、裏面は白色を帯びる。葉柄は長さ4〜6cm、紅色を帯びることが多い。
     雌雄異株、花は前年枝の葉から長さ(3〜)4〜12cmの総状花序を出す。雄花は長さ4〜12mmの柄があり、花弁はなく、萼もないか、稀にあっても1〜2個でごく小さく、雄しべが6〜12個ある。花糸は離生し、長さ約1mm、花時にはほぼ水平に開出し、褐紫色の葯が目立つ。雌花は長さ8〜13mmの柄があり、花序に疎らにつく。萼はないか、あっても短い倒円錐状で、長さ約0.5mm。子房は狭卵形で、長さ3〜4mm、花柱は2〜4個、褐紫色で柱頭は外側に反り返る。br>  果実(核果)はわずかに歪んだ卵形、長さ6〜10mm、先端には花柱が宿存し、11〜12月に初め紅色で後に黒藍色に熟し、表面は粉を吹く。種子は1〜稀に2個。

  • 分布・生育地 :
     本州(福島県以西)〜沖縄 (国外:朝鮮(南部)、中国
     暖地の常緑広葉樹林内

  • 花期 :  4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2024年5月5日  東京都八王子市
    中上・全体2    同  上
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
    中中・雌花序 2025年5月14日    同  上
    中下・雌花    同  上
    左下・幹 2024年5月5日    同  上
    右上・新芽 2014年4月16日  和歌山県新宮市
    右中・葉(表) 2024年5月5日    同  上
    右下・葉(裏)    同  上

  • 撮影記 :
     本州(福島県以西)〜沖縄の常緑広葉樹林内に生えるが、公園や庭木として植えらることも多く、八王子市で撮影した株も植栽由来の可能性がある。
     エゾユズリハとはほぼ棲み分けているが、ユズリハとは分布域が重なり区別しにくいが、本種の方が葉がやや大きく、側脈の数も多い、萼片はほとんどないなどの相違点がある。
     ユズリハ(譲葉)の和名の由来は、新葉が出てから古い葉が落ちるので「譲り葉」と名付けられたようで、成長した子供に後を譲るのに例え、目出度い木ということで正月の飾りに用いられている。

  • 新芽

    葉(表)

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
ユズリハ2(雌株)

雌花序

雌花

幹