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- 科名・属名 : ゴマノハグサ科 シオガマギク属
注.APG分類ではハマウツボ科(OROBANCHACEAE)、学名(P. chamissonis subsp. japonica var. japonica)。但しAPGV、W分類では、学名(P. japonica)
- 特徴 :
草丈10〜40cmの半寄生の多年草。
茎は直立する。
葉は4個(まれに3〜6個)が1〜3段に輪生する。葉身は長楕円状披針形で長さ2〜5cm、幅0.5〜2cm。羽状に全裂し、裂片は披針形でさらに羽状に中〜深裂する。葉柄は長さ2〜4cm。
花は茎の上部に2〜6(〜10)段つき、各段4個ずつ輪生する。花冠は紅紫色で花筒がやや白色を帯びることが多く、長さ12〜20mm。花筒は萼から出たところでやや曲がるか直立し、上唇は中部で曲がって先は嘴状に尖り、嘴部は長さ3.5〜6.5mm、下唇は広く開いて半ばまでほぼ同形に3裂する。萼はふくらんだ筒状で先は5浅裂し、長さ4〜6mm、幅2.5〜4mm。
果実(刮ハ)は歪んだ卵形で先は短く尖り、長さ6〜9mm、幅3〜5mm。
花冠の上唇の上側にくびれがあり、嘴が長いものを、
●クチバシシオガマ(var. longirostrata)という。
また、下唇が長くて色の薄いものを、
●ヒメヨツバシオガマ(f. rostrata)(左下の写真)という品種になっている。
(注.APG分類では、ヒメヨツバシオガマの学名の記載はない)
- 分布・生育地 :
本州(東北(北限・山形県月山)〜中部地方) (国外:日本固有) 高山の草地
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1996年8月7日 長野県白馬岳 中上・全体2 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花 2015年7月13日 群馬県至仏山 中下・クチバシ 1977年7月27日 山梨県南アルプス (中下は詳細解説あり、写真をクリック) 左下・ヒメヨツバ 1979年8月16日 同 上 (左下は拡大写真あり、写真をクリック) 右下・葉 2023年7月4日 長野県八ヶ岳
- 撮影記 :
高山でよく見かける紅紫色のシオガマの仲間には、ミヤマシオガマやタカネシオガマがある
最初のうちはみな同じように見えるが、葉の付きかたや切れ込み方、花の上唇の先の尖り方などを注意してみると、そのうち見ただけで区別できるようになる。
本種は葉が4枚輪生していることでこの和名が付けられていて、高山にある3種の中では一番多く見かける。
北日本には花つきのいいキタヨツバシオガマなどの亜種が知られている。

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